親の老後が破綻する前に!終活実践方法と終活体験談
親の老後ことを考えると「生活費が足りるのか」「寝たきりや認知症になったらどうしよう」といった不安がよぎることはありませんか?
その不安を解消する方法。それは、親の終活をすることです。
この記事では、親の老後に不安を感じている方に向けて、終活をつうじて親の老後の不安を解消する方法をご紹介します。
また、実際に親の終活を実践し親の老後の不安を解消した筆者の体験談もお届けします。
ぜひこの記事を読んで、親の終活をスタートさせ老後の不安を解消していきましょう。
速めに実践すべき終活とは
終活というと、一般的には以下のようなイメージを持たれることが多いかもしれません。
- ・認知症や終末期、葬儀などの希望を確認しておく
・不要な物を処分する
・財産などを整理しておく
これらの活動は確かに重要ですが、終活はそれだけではありません。
終活は、将来起こりうるリスクを予測し、隠れた問題を事前に把握し、その影響を最小限に抑えるようにるするのも終活です。
・お金について考える
・住まいや家の中の考える
・エンディングノートを書いておく
上記を実践しておくだけで老後の不安は大きく解消されます。
また、終活をしておくことで予期しない出来事にも素早く対応することができます。
終活で将来のリスクを予測し、適切な対策を講じ、問題を事前に把握し、何か起きた時には迅速に対応できる体制を整えることで、老後の生活をより安定させ、安心して過ごすことができます。
お金・家・家の中の終活で将来の不安を解消
エンディングノートで未来の安心を手に入れる
終活で欠かせないのがエンディングノートです。
エンディングノートには、介護や延命治療の希望、葬儀の希望だけでなく、財産や不動産、負債など、その人が持っているすべての情報を記載します。
最近はエンディングノートとして販売されているものもたくさんあり、そうした既製品をつかうことにより、記載すべき内容を迷うことなく進めることができます。
既製品でもお気に入りのノートでも、
まずは親にエンディングノートを書いてもらいましょう。
そして、エンディングノートの情報をもとに将来の生活設計を行いましょう。
例えば、財産管理や介護施設の選定、医療費の準備、葬儀代や死後の整理費用など、具体的な計画を立てることで、親も家族も安心して老後を迎えることができます。
もちろん、沢山の内容を書き出すことは労力も使いますし、すべての情報を嫌がる親御さんもいるでしょう。
その場合は強要はせずに共有してもらえるところから始めていきましょう。
無理強いは反感を生み、親子の信頼感家の構築にも大きな亀裂をもたらします。
相手の気持ちを尊重しながら、これからのためのノートが完成させられるといいですね。
エンディングノートの基本項目
・自分の基本情報
・財産・資産情報
・支払い情報
・ID・パスワード情報
・医療・介護の希望
・葬儀・お墓の希望
・相続・遺言
・連絡先リスト
・家族・親族へのメッセージ
・ペットの情報と引き取り先
家と家の中の終活で安心・安全を手に入れる
家と家の中の終活をしましょう。親が高齢になると、住環境の安全性がますます重要になります。家の見直しや家の中の整理を行うことで、転倒や事故のリスクを減らし、日常生活をより快適に過ごせるようになります。
家が安全で快適な場所になることで、親も自分の生活に自信を持ち、独立して生活する意欲が湧くでしょう。また、家族も安心して親を見守ることができ親も子も不安なく生活することができます。
家の終活については記事の後半にて詳しく触れていきますね。
終活でお金の不安を解消する具体的な方法
親の老後で最も大きな悩みの一つが「お金」の問題でしょう。
上記でも記載しましたが、エンディングノートにはお金に関する情報も記載してもらいます。それをもとにマネープランを立てることが重要です。
お金のことは難しいと感じる方も多いでしょう。そんな時は、お金のプロであるファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの手です。エンディングノートで洗い出したお金の情報をもとに、今後のマネープランについてアドバイスをもらうのもおすすめです。
お金の見直しとマネープランニング
エンディングノートで記載したお金の情報をもとに以下のことを見直しましょう。
年金
公的年金、企業年金、国民年金基金、個人年金保険など。
受け取れる年金額を確認し、マネープランを作成しましょう。
貯蓄
預貯金、定期預金、定額貯金、外貨預金など。
将来の生活資金やイベント費用としてマネープランを作成しましょう。
有価証券
株式、債券、投資信託など。
お金を使うことも人生を豊かにします。生活費や旅行、趣味などに有効に使うこともプランニングしましょう。
有価証券は相続の際、手続きが煩雑です。また、日々値動きが変動し高齢になるほど管理が難しくなります。判断ができるうちに整理し必要に応じて売却や生前贈与なども検討しましょう。
保険
生命保険、医療保険、火災保険、車両保険など。
保障の見直しを行いましょう。必要のない保障を減らすことで保険料を節約し、生活資金などに充てることができます。
クレジットカード
利用していないクレジットカードは解約しましょう。年会費の削減や詐欺のリスクを減らすことができます。
不動産
マイホーム、別荘、相続で引き継いだ土地など。
不動産は分けることが難しいため相続トラブルがもっとも多い財産です。トラブルを避けるために早めに売却や遺言書を書いてもらうなどの対策を行いましょう。
その他の財産
貴金属類、絵画、骨董品など。
必要に応じて売却や形見分けをしましょう。物は持ち主ではないと価値や歴史がわからないことが多々あります。親が存命なうちに聞いておくのも大切です。
借入金
住宅・教育・自動車ローン、キャッシングなど。
借金も相続の対象になるため、早めに対策を行いましょう。状況に応じて弁護士などに相談しましょう。
保証債務
保証人になっている場合、保証人の立場も相続の対象になります。確認して早めに対策を行いましょう。状況に応じて弁護士などに相談しましょう。
貸付金
お金を貸している場合、返済状況を確認し必要に応じて対策を行いましょう。
親の終活体験談①
終活で保険の見直し・安心と経済的ゆとり
終活をはじめた義母の保険の見直しを行ったことで、家族には安心と本人には経済的ゆとりができました。
義母は生命保険と医療保険に加入していましたが、その保険料が月々の支払いの負担となっていました。子供たちは独立し、夫もすでに他界。医療費の自己負担額も少ない年齢となったため、高額な保障が不要であると判断し保険を見直すことにしました。
家族とも話し合い、お金を残すことよりも義母の日々の生活を豊かにすることが大切だという結論に至りました。保険は解約し解約返戻金の一部を葬儀代や死後の整理資金として確保することで家族も安心できました。残った分は義母の生活費や趣味に充てることにしました。
保険の見直しで年間15万円以上の節約ができました。義母も月々の出費が減り喜んでくれました。
エンディングノートに保険のことを書いてもらったら、あわせて保険の見直しをしましょう。不要な保険の解約や、保険料の安い保険への変更で経済的な負担を軽減し安心して過ごせるようになります。
家の終活で老後の不安を解消する具体的な方法
家の終活は、親の生活の安心につながります。
なぜなら、家はお金、健康、防犯の面で住む人に大きな影響を与えるからです。
例えば、お金のリスクとして、一軒家は修繕費、火災保険、固定資産税などがかかります。退職後は貯蓄から捻出することになり高額な出費になります。賃貸の場合は、家賃が毎月の大きな負担になることがあります。
健康へのリスクとして、一軒家やエレベーターのない集合住宅は階段や段差での転倒のリスクにつながります。ケガは寝たきりや認知症の原因になる大きな要因です。また、古い家の場合、浴室やトイレでのヒートショックなど健康リスクにもつながります。
犯罪のリスクとして、年齢を重ねると戸締りが億劫になったり、鍵の閉め忘れなどで空き巣などの被害にあうリスクにつながります。また、高齢者だけの世帯は空き巣や詐欺に狙われやすくなります。
家のことは大きな決断が必要になります。高齢者の住み替えやリフォームの相談、高齢者向け分譲マンションなどを扱う不動産会社も増えています。不動産のプロに相談するのもおすすめです。
住み替えを検討する
上記以外にも買い物や通院に不便な場所にある家は高齢になるほど暮らしにくくなります。
買い物や通院に便利でセキュリティも万全なマンションやアパート、サービス付き高齢者向け住宅などに住み替えることで、老後のさまざまな不安を解消できます。また、同居や二世帯住宅、子供が近くに住むこともお互いの不安の解消になります。
建替え・リフォームを検討する
ケガの防止や防犯面を考慮した建替えやリフォームも検討しましょう。スロープや手すりを設置したり、転倒した際のケガ予防や侵入対策として強化ガラスにする、見守りを兼ねて防犯カメラを設置するなど対策をしましょう。また、浴室やトイレに暖房機器を設置するなど健康面の対策もしましょう。
親の終活体験談②
住み替えで親も子も穏やかな日々
筆者の母は父が他界し一人暮らしになりました。閑静な住宅街といえば聞こえは良いのですが、買い物や通院に不便な場所での一軒家での暮らし。母は病気をしていたこともあり、階段の上り下りや戸締りに苦労し、広すぎて掃除も行き届かずストレスを感じているようでした。筆者もケガや防犯面で不安で毎日のように電話をしていたりと、お互い限界を感じ終活を兼ねて駅近のマンションに住み替えをしました。
住み替えてからは母は家事や買い物、通院のストレスが減り、筆者もケガなどの心配がなくなりお互い穏やかな日々を過ごせるようになりました。
住み慣れていて、かつ、思い入れのある自宅から離すことがいいことなのか、とても悩みましたが、思い切って住み替えてよかったと思っています。
家の中の終活で
寝たきり・認知症・お金の不安を解消する具体的な方法
高齢者がケガをしやすい場所のトップは自宅です。
ケガは寝たきりや認知症になるリスクが高くなります。たった1回の骨折で寝たきりになることも…また、ケガの痛みで運動量が減少したり外出しなくなることで人との交流がなくなると認知症のリスクも高くなります。転倒などで家具や床などに頭をぶつけることも認知症のリスクを高めます。
家の中の終活を行うことでケガを防ぐことができ寝たきりや認知症の不安の解消になります。
また、家の中を終活することは、金銭面でのメリットもあります。年齢を重ねると物の置忘れ、しまい忘れが増えます。必要な物がみつからないことで同じ物を買ってしまうことがあります。また、家が散らかっていることでストレスとなり浪費に走ってしまうといったケースもあります。家の中が整理されていることでそういった出費を減らすことができます。
それから、家の中の終活をしておくことで遺品整理の時間や費用の削減にもなり残された家族にもメリットがあります。
ぜひ、以下の3点から取り組んでみてくださいね。
- ①足元の物を減らす
つまずいて転倒しないように足元の物を減らしたりコード類を整理しましょう。 - ②大きな家具を撤去する
大きな家具も撤去しましょう。ふらついたり、転倒した際に頭をぶつけたりすることを防ぎます。また、地震の時に家具が倒れてきてケガをするといったことも防ぐことができます。 - ③収納を工夫する
脚立などを利用しないと取れないような収納スペースは落下などによるケガのリスクをともないます。取り出し位置に収納スペースを作るなど工夫をしましょう。
家の中を終活することで寝たきり、認知症予防のにもなり、ストレスの軽減や無駄な出費をおさえることができ親も子も安心して暮らすことができますよ。
まとめ
親の終活は未来の安心を作る
この記事では、親の終活をすることで親の老後の不安を解消することができるというお話をしてまいりました。
エンディングノートを作成することで介護や葬儀の希望を明確にし、財産や負債の整理で経済的な見通しを立てることで将来の不安を解消することができます。
また、年金や貯蓄、保険などを含むマネープランを作成することで、生活費や医療費などのお金の不安を解消できます。
また、住まいの見直しや家の中の終活をすることで健康や防犯リスクを減らし安心して暮らすことができます。
親自身が日々安心して生活することができる、そして子供も安心してサポートできる環境を整えていくことが明るい未来をつくるのだと、筆者は考えます。
親の老後に不安がある方こそ、今すぐ親と共に終活を始め親子でよい未来を築いていきましょう。
この記事を書いた人
春風
30代で両親、義父、40代で祖母の相続を経験。
終活をせず旅立った親を持った子の目線で親の終活の必要性や終活のすすめ方をアドバイスしています。