30代40代が知るべき親の相続手続きの注意点:実際に体験したこと
30代40代になると周りで親の相続手続きに関するトラブルを見聞きすることも増え、自分の場合はどのようになるのか?と心配になりませんか?
相続手続きなどは親と話し合いが必要だとわかっていても、なかなか話題にしづらいものですが、生前に話し合いをしておくことで、相続問題が発生した時に落ち着いて対処ができます。
なぜなら、親の相続手続きは自分がやるべきことですが、わからないことも多く、特殊な手続きもたくさんあります。親と話し合う前に何を話し合うべきかを知っておくと、相続手続きの話もスムーズです。
今回の記事では、相続手続きの注意点や相続手続きでのトラブルなどを紹介します。
30代40代とその親が相続手続きについて話をする際の注意点とは
相続手続きについて親と話しておくことは、お互いの「相続」という心配を解消できます。
しかし、何を話せばいいのかわからないのは親子共通の悩みです。何を話せばいいのか、話をする際の注意点を紹介します。
時期を考える
親にとっても子どもにとっても、相続手続きはとてもナイーブな話題なので、時期を考えて話し合いをするべきです。
親族が亡くなる、親自身が病気になる、将来のことを考えている時期はお互いに相続問題を話し合うベストタイミングになります。しかし、気持ちが前向きではないときに話をしても、お互いの将来を考えた話し合いはできません。
早い時期に話し合いたい内容ですが、お互いの心と体に余裕がある時に、親の話を聞いてみてはいかがでしょうか。
時期を考えて相続手続きの話し合いをしましょう。
密なコミュニケーションのなかで話をすすめる
これまで疎遠だったのに、久々やってきた子どもが突然相続手続きの話し合いをするのは、親にとって気分が良い話ではありません。本当は相続手続きの話を知ったかったかもしれませんが、子どもに相続させたくないと思ってしまう可能性もあります。
密なコミュニケーションを取る中で、自然と話し合いできる場を作りましょう。
親が突然の相続手続きの話し合いを嫌がるように、子どもだって親が突然相続の話をしてきたら心配をするはずです。
密なコミュニケーションを取りあう中で、少しずつ話を進めていくことが大切です。
必要に応じて専門家に相談する
相続手続きは難しい内容も多く、遺言書を作成する意思がある場合には、専門家に依頼をする方がトラブルを少なくできます。
話し合いをしていく中で、遺言状を作成したい、生前贈与や遺贈などを行う、遺産分与の方法を詳しく知りたいこともあるはずです。
必要だと思った場合は、専門家に相談をしてみるのも1つの方法です。
親子でわからない内容もスッキリ解決できます。
親と相続手続きの話をした場合に30代40代が知るべき内容
親と相続手続きの話をするのであれば、有益な話をしたいものです。話をする場合に子どもが知っておくべき内容について紹介します。
相続財産等の有無
実際に相続財産等があるのか、ある場合にはどのようなものなのか、相続する側である子どもは知る権利があります。
詳しく話をする必要はないかもしれませんが、相続財産等のあるなしは確認してください。預貯金ならば銀行名、土地建物であれば書類等の有無など、保管場所についても確認できるといざというときに慌てずに対応が可能です。
相続手続きは手続きを行う期限があり、期限を過ぎると手続きが行えません。相続を手続きをしたいのに、必要なものが見つからないと時間をロスしてしまいます。
まずは、大まかにでも相続財産の有無の確認が必要です。
遺言を作成する意思
法定相続人がそのまま遺産を相続する場合は問題ないですが、遺贈や相続内容を決めておきたい場合には遺言書を作成することも必要です。
遺言状は所定の手続きを経て作成するものです。ただ書けばいいというものではないので、簡単には作成できないと思ってください。
遺言状は親自身が作成したいという意思がある場合、作成をおすすめしますが、子どもが無理矢理遺言状を書かせるようなことはしてはいけません。
遺言状を作成する意思を確認したうえで遺言状を作成してもらいましょう。
遺産分与をする相手
遺産を残しておきたい相手、法定相続人以外の人へ遺贈したい、寄付などを検討している場合は事前に知っておくと、トラブルを防ぐための手続き(遺言状の作成)ができます。
子どもは親の遺産をそのまま相続できると思うかもしれません。遺言状がない場合、相続が可能となる「法定相続人」が相続の対象になります。
範囲や相続順位を確認し、実際にどの親族が対象となるのか確認しておきましょう。
子どもは親の親族を知らないことが多いです。突然知らない人が法定相続人として現れて、トラブルになってしまう可能性もあるので、事前に親族の情報を知っておくとトラブルを最小限にできます。
30代40代が経験した親の相続手続きでのトラブル
相続トラブルはよくあるもの。嬉しくない話ではありますが、親の死後に相続トラブルに遭う人は少なくありません。
実際に私が見聞きした相続手続きトラブルを紹介します。
親の遺産の使い込み
遠方へ嫁いだので、親の世話はすべて兄弟に任せていました。
相続の話になったら相続放棄をしようと思っていましたが、実際に親が亡くなり、いざ相続手続きをしようとなったときに、兄弟が親の貯金を使い込んでいたことが発覚。
相続放棄をするつもりでしたが、逆に葬儀代まで払う羽目になり、踏んだり蹴ったり…
親のお金を親のためにも使っていたのかもしれませんが、一言言ってくれれば…気持ちとしてどうしても許せず、絶縁状態になっています。
相続するべき財産がわからない
親とは仲が良かったのですが、相続に関する話になるとお互い言いにくい部分もあって、なんとなく先延ばしにしていた矢先に親が入院し、そのまま亡くなってしまいました。
親の財産はすべて親が管理し、入院時の支払いのみを任された口座から引き出していたので、銀行口座以外の財産を知りません。
銀行経由で資産を確認できたので良かったのですが、親の友達が「ネット銀行にへそくりがある」と言い出し、あらゆる手段を使いどうにか見つけたネット銀行の口座。
確かにへそくりがありましたが、10万円にも満たない額…
大騒ぎする額でもなかったけど、事前に知っておけばこんなことはなかったと反省しています。
負の遺産
バブル時代に結構な数の土地を所有していた両親が亡くなり、いざ相続をしようと兄弟と話をしていました。
しかし、実際に所有する土地や預貯金を確認すると、借金の方が多いことがわかりました。
正直負の遺産など誰も相続したくありません。
法定相続人に該当する親族とも話し合い「相続放棄」ができるというので相続放棄しました。
相続放棄ができなかったら…と思うとゾッとしています。
まとめ|相続手続きの注意点や相続手続きでのトラブルは親との話し合いで解決できる
今回は相続手続きの注意点や相続手続きでのトラブルなどについて紹介しました。
- 30代40代とその親が相続手続きについて話をする際の注意点
- 親と相続手続きの話をした場合に知るべき内容
- 親の相続手続きでのトラブル
親の相続手続きは他人事ではありません。親の元気な30代40代のうちに話し合いをするとトラブルを防げます。
トラブルが未然に防げることで、相続手続きの不安は解消し、もしものときも落ち着いて対処ができます。